全国さくらんぼ普及会は日本全国でのサクランボ栽培(鉢植え・地植え)を応援しています

温かい地方でも実る


寒い地方ではなぜ実る?暖かい地方ではなぜ実らない?

 さくらんぼは、冬の休眠期に7.2度以下の時間が約1400時間必要と言われています。では、その低温要求時間を満たせば実るのでしょうか。

 そんなことはありません。北海道・東北地方からも樹勢が強いと幼果で落果して収穫できないとのお悩みが当会に寄せられています。最大産地の山形県であっても、花が咲く頃、毎年実るさくらんぼの樹に窒素肥料を大量に与えたり、尿素の葉面散布を2~3回行って樹勢を旺盛にすると、関東地方と同じように大豆大で落果するはずです。植えたばかりの若い樹や強剪定した樹などの太い枝にも当然実りません。
 こんな話もあります。山梨県塩山市の一部に100年位前から、さくらんぼ生産農家の集落がありますが、その集落の両側では同じ気温のはずなのにサクランボは適さなく、植栽していないそうです。実る集落の土質は痩せた地層で、両側の土質は肥沃な土質なのでしょう。
 ○窒素肥料を多用すると実らない
 ○肥沃な土質だと実らない
 ○若い樹や強剪定した樹などの太い枝にも当然実らない
 つまり、低温要求時間を満たしているから実るのではなく、他の要素が大きく関係しているのです。したがって、「暖かい地方だから実らない」と考えるのは誤りです。


とは言っても大豆ほどの大きさで落果してしまう…

とは言っても、関東以南に限らず全国で、大豆ぐらいになると落果してしまい実らない場合が多いようです。
 体を作ろうとする栄養成長が強いと、さくらんぼは樹だけ大きくなり花芽が着かないし、花が咲いても実らないのです。
 逆に、痩せた土地では、肥料を不足で樹が弱ると、子孫を残そうとする生殖成長が強くなり、花が多く咲いて多く着果するものの、大豆ぐらいになると落果して、関東以南では実らない場合がほとんどではないでしょうか。
 つまり、栄養成長が強すぎてもダメだし、生殖成長が強すぎてもダメなのです。


子孫を残そうとする生殖生長と、体を作ろうとする栄養生長のバランスが大切

動物の場合にも同じような例があります。ネズミを食べ放題の群と不足ぎみの量を与えた群とに分けたとき、後者の群の方が早く子孫を残そうとの作用が強まり、ネズミの増え方が早いそうです。
 人間の場合も、肥満になり過ぎると妊娠しづらく、栄養失調になると生理が止まると聞きます。植物も動物も子孫を残す為に生存していると言えるのではないでしょうか。


原因と誘引を取り違えないために

私は植物も動物も基本は同じであるとの考えに達し、ある事柄を引き起こす原因はひとつだが、誘因は幾つもあるのでその誘因を見つけるため、色々な局面で、他の植物の場合はどうか?動物の場合はどうか?と、当てはめて考えると理論が想定でき、想定できると色々な方策が見えて来ます。あとは効果的で実施可能な具体策を実行します。

 原因と誘因を取り違えると、良く出来たときも悪く出来たときも先が見えて来ません。例えば今年は、雨が、日照りが、風が、高温が、低温が、などを原因としてしまうとその対策方法は限られてしまいます。これらの自然現象は「原因」ではなく「誘因」であり、誘因によって引き起こされる栄養失調等で「病気に負ける」ということこそが原因なのです。
 サクランボは冬の休眠期に7.2度以下で1400時間の低温要求を満たさなければならないということを原因にしてしまうと、対策は冷房する以外になくお手上げになります。


樹を任意の大きさにコントロールするには?

樹勢をコントロールするということは、頂部優勢の活力を分散させることです。サクランボは、頂部の太い枝 に優先に養分を送り、上に伸びようとする性質があります。ピンチと誘引することによりこの力を分散させ、細い枝を多く出して、花芽分化を促してやることです このような方法で仕立て、目的に向いた良い苗を使うと、樹高は1メートルでも2メートルでも自由に1年で樹形ができます。
 支柱を4~5本使用し、強制的に壁に沿った樹形に仕立てることで、狭いスペースでも充分にさくらんぼ作りを楽しむことができます。