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植物生理が分かると見えてくる
(様々な生理現象の分析)

隔年結果はなぜ起きる

 実を付け過ぎると樹勢が弱り翌年実付きが悪い、秋に収穫する果樹に起きやすい、花芽分化期の夏場に樹勢を守るため摘果、や施肥、剪定、灌水等で樹勢を保つ工夫をして、農家の方は隔年結果の克服に努められています。

樹勢は樹の部分で違う

 1本の樹のなかでも、太い若枝は栄養成長が強く細い枝は生殖成長が強い果樹は上に勢いよく伸びる太い枝より、細く横に伸びる枝に実を付ける。

なぜ着果が少なく大きな実が裂果する

 着果数が少ないと養分の配分が多く大玉に成ろうとする力が強く、又実の数が少ないので水分の配分も多く、内部の肥大に外皮の生長が追いつかず内部膨張圧に外皮が負け裂果する。肥料も与えず沢山実を付けた樹は裂果しない。サクランボ、ぶどう、トマト等皆同じ

植物の葉面吸収実験

 新梢の先端を10㎝位切り取ると5分もしない内にしおれてくる。切り口を水に付けないように逆さにして葉を水に10分も浸しておくと、しおれた葉はピーンとしてくる。それだけ葉面から吸収している事が証明できる。葉水、葉面散布は有効である。

なぜ霧で裂果する

 霧が発生したと言うことは葉水を一晩中していた事と同じで、葉面吸収実験の通り葉面からの水分の過剰吸収による裂果である。

なぜ鉢植えは実が小玉になると言われるか 

 サクランボの場合、植物生理にかなった施肥をすれば、鉢植えでもL・2Lは普通で、品種により3L・4Lの大玉が実る。

実の付いた鉢植えを、地面に移植すると翌年何故落果する?

 これこそが生理落果です。鉢植えの場合は、限定された土で育てられ、さらに水不足に遭い、 「これは大変だ早く子孫を残そう」と、花を咲かせ実を結んだのです。
  ところが、肥料も水も充分にある地面に植え替えられれば、まさに「飲み放題、食い放題」 の状態となり、子孫を残すより身体作りが先だと、子供づくりを後回しにした結果、落果し たのです
 若木は味が乗らない
 木が若いので味が乗らないのでは有りません。樹形を作るため肥料は充分有り、木の生長力は強い。樹勢が強いと着果数も少なく、光合成で作った糖分は樹の成長に使い遅くまで成長します。熟す時期に樹が成長しているようでは甘い果実は出来ません。成木でも遅効きさせると味は乗乗らないのは道理です。若木でも成長させないと甘い実に成ります。

  干ばつの年の果実は何故甘い
 干ばつの年の果実は小ぶりだが甘く美味しいと言います。 根域制限栽培は甘いのも、雨水を防水シートで排除すると甘いのも、 寒暖の差が大きい地域の果樹が甘いのも、全て、収穫前に樹の成長が止まり、葉の糖分濃度を高め実に移行して甘い果実ができます。若木の逆です。

 ハダニ発生は甘い果実のサイン
 見方を変えると、収穫間近に多少のハダニの発生は、実の甘さの目安でハダニが教えてくれていると言えます。収穫間近に葉色は青々とし、芽が伸びているようでは実はどんなに大きくとも、甘くないのは明白です。
 反対に収穫近くに曇天が続き雨が多いと、葉の働きは鈍るので糖度は乗らず、後半の生理落果も起きるはずです。

 毎年甘い果実を作るには
 寒暖の差が少ない地域で、高品質で多収穫を目指す場合。肥大期は実に養分を集中させる処置をし、熟期には水分を絞りチッソ吸収を抑え葉の糖度上げる管理をすると良いわけです。収穫が近づくとビニール被覆や防水シート等で、圃場の外へ雨水を排除する処置が必要なことになります。

なぜ秋に花を咲かせられる
あなたは桜、梨、姫リンゴの花を秋に咲かせることができますか?

 新聞等で、秋に桜が狂い咲きしたなどのニュースが載ることがありますが、台風等で葉が飛ばされた、虫に食べられた等の原因が必ずあるはずです。
 花芽分化が終わった8月に、樹の半分でも1枝でも葉をもぎ取ると自由に咲きます。まだ 冬越しのための栄養蓄積が足りないために、本来翌春に出てるはずの葉を出す必要がある。 この葉を出すときに、養分が花芽に向かい花も咲くことになるのです。
私の実験結果
成功 桜、梨、姫リンゴ、カイドウ、さくらんぼ、モクレン
藤は6、7、8月の好きなときに咲かせられます。
失敗 梅、栗 (花は咲かずに芽が出た。)
大失敗 柿 (強情にも、葉をもいだ枝は芽も出さずに枯れてしまった。)



夏に水不足で干ばつだと翌春は杉花粉が多い

 生殖生長が強くなり当然子孫を残そうと花粉を多く付けます。
 植物の花を咲かすには花芽分化時期にチッソの吸収を減らし飢餓状態にして子孫を残そうとする作用を強めると花が咲きます。 

毎年良く咲く梅の盆栽を地植えにすると咲かなくなる

 梅の盆栽等は土用時期に葉がよじれるくらい水をしぼります。毎年良く咲く梅の盆栽を水やりが大変だと、地植えにして肥料を与えると、樹を作ろうとする作用強まり、樹はできるが花が咲かなくなる。

実の付いた鉢植えの苗を土地に植えると翌年何故落果する?

 柑橘類等の実のついた鉢植えを、花壇や畑に植え替えたら、翌年は実らなくてガッカリしたことありませんか?
 花が咲いて小さい実を付けて、楽しみにしていると落果してしまうことがほとんどではないでしょうか。これこそが生理落果です。鉢植えの場合は、限定された土で育てられ、さらに水不足に遭い、「これは大変だ早く子孫を残そう」と、花を咲かせ実を結んだのです。
 ところが、肥料も水も充分にある地面に植え替えられれば、まさに「飲み放題、食い放題」の状態となり、子孫を残すより身体作りが先だと、子供づくりを後回しにした結果、落果したのです。

花を咲かすのは地温か気温か
サクランボは気温で春を感じて花が咲くか。地温で花が咲くか。

 ミニハウス、夜間温度0℃以下になる日もあり、昼間は30℃以上になる。
 右 熱帯魚のヒーターで温めた水を循環させた水を約20℃前後で地上部は外気温。

観察期間;3月1日から4月10日(40日間)
ハウス 地温加熱 
左 ミニハウス、夜間温度0℃以下になる日もあり、昼間は30℃以上になる。
右 熱帯魚のヒーターで温めた水を循環させた水を約20℃前後で地上部は外気温。

 ハウス(左)では、通常の無処置の木と比べ、約一週間早く花が咲いた。
 地温加熱(右)では、通常と何ら変わらなかった。
 よって、サクランボの季節を感じるセンサーは根ではなく、地上部にあることが判明した。

 夜間温度の低い時期に花を咲かせたい。ハウスに入れれば、早く咲くのはわかっているが、鉢植えなので、鉢を電熱線で巻いて地温を上げるだけで早く咲けば大きなハウスが不要となるのでは、と考えた。

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